「夜ご飯」は英語で dinner と習うことが多いですが、実は dinner の意味や使い方には地域差や歴史的背景があるのをご存知でしょうか?
この記事では、dinner の語源や英語圏での使われ方、他のヨーロッパ言語との比較、さらには dinner 以外の表現についても詳しくご紹介します。
なぜ夜ご飯はdinnerなのか?
dinnerは14世紀ごろの古フランス語「disner」が語源といわれています。
このdisnerの意味は「断食を解く」であり、それから「1日の最初のおおきな食事」つまり朝ご飯を意味する言葉となりました。
おや?と思った方もいらっしゃると思いますが、実はdinnerは語源・意味ともにbreakfastと同じなんです。
その後、「1日の最初のおおきな食事」であるdisnerは、「1日の中で主な食事」という意味のdinnerに変化していきました。
ここまで説明してきましたが、ある疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
「夜ご飯っていう意味はいつから?」
実は、dinnerの意味は現在も「1日の中で主な食事」であり、必ずしも夜ご飯を指しているわけではありません。
一般的に夜に食べるご飯が1日の中で主な食事に当たるためdinnerを夜ご飯と訳すことが多いですが、イギリスの一部ではお昼ご飯がdinnerとなるところもあります。
また、クリスマスや日曜日、祝祭日のdinnerはお昼ご飯になることが多いです。
dinnerは必ずしも夜ご飯とは限らないので、試験や留学の際にはdinnerの意味に注意する必要があります。
英語で「夜ご飯」を表す他の言葉は?
先ほど『dinnerの意味は現在も「1日の中で主な食事」であり、必ずしも夜ご飯を指しているわけではない』と説明しましたが、英語では「dinner」以外にも、夜の食事を指す表現があります。
● Supper(サパー)
- 北米やイギリスの一部地域で「夕食」を意味する言葉。
- dinner より軽い食事、または家族的な夕食を指すこともある。
他のヨーロッパ言語では「夜ご飯」をどう表現する?
英語以外のヨーロッパの言語では、「夜ご飯」の呼び方にも文化的背景が見え隠れします。
◯フランス語:dîner
- 英語の dinner と同じ語源(ラテン語)。
- 主に夜の食事を指します。
- 動詞「dîner」もあり、「夕食をとる」という意味。
◯ドイツ語:Abendessen
- 直訳:「夕方の食事」
- 非常にシンプルで、ドイツ語らしい合理的な語形成。
◯イタリア語:cena
- ラテン語 cena に由来し、古代ローマでも使われていた伝統的な言葉。
- イタリアでは今でも夜の食事を cena と呼ぶ。
◯スペイン語:cena
- イタリア語と同じくラテン語 cena が語源。
- 南ヨーロッパでは cena が一般的な夕食の表現。
英語学習における語源の重要性

英単語の語源を理解することは、語彙力の向上に非常に役立ちます。
語源を知ることで、単語の意味や使い方をより深く理解でき、記憶にも残りやすくなります。
今回の場合、例えばbreakfastのつづりを忘れてしまっても、「断食を破るという意味だからbreakとfastだ!」と思い出すかもしれませんし、breakfastと関連して「fastの他の意味」や「動詞にする際にはenをつけてfastenにする」といったことを合わせて覚えると、英検やTOEICなどの語彙や品詞の問題に役立ちます。
語源をベースにした「英語の語源大全」「英単語の語源図鑑」という本があるので興味がある方はぜひ読んでみてください。
また、「英語の語源大全」を含む語源に関する英語学習の本を月額990円で読み放題ができるKindle Unlimitedというお得なサービスもあるので、費用を抑えながらたくさんの本を読みたい方はこちらもおすすめです。
<<Kindle Unlimitedはこちら>>まとめ
- dinnerの語源は古フランス語「disner」
- disnerの意味はbreakfastと同じ
- dinnerの意味は「1日の中で主な食事」であり必ずしも夜ご飯を指すわけではない
dinner は単なる「夜ご飯」ではなく、「1日の中で最も重要な食事」という意味合いから生まれた言葉です。
また、他のヨーロッパ言語との違いを知ることで、文化と語学が密接に関わっていることが見えてきます。
英語学習においては、こうした語源や文化背景を知ることが、単語の理解を深め、記憶にも定着しやすくなる大きな助けになります。