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【英語雑学!】セルティックの意味は”ケルト人”?

セルティックの意味はケルト人? 雑学

スコットランドの名門フットボールクラブチーム「セルティックFC」をご存知でしょうか?

セルティックFCはイギリスのクラブチームで初めてチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーズ)を制覇するなど多くのタイトルを手にし、これまでに累計100個以上のトロフィーを手に入れている数少ないクラブチームです。

かつて中村俊輔選手が所属し、現在でも古橋選手前田選手旗手選手など多くの日本人選手が在籍している(在籍していた)ため、スポーツニュースなどで聞いたことがある方も多いと思います。

セルティックFCの英語表記は「Celtic FC」ですが、この英語表記の中にもしかしたら「ある文字」が入っていることに気付く方もいらっしゃるかもしれません。

「Celt」はケルト、つまりセルティック(Celtic)とは「ケルト人、ケルト人の」という意味の言葉となります。

では、なぜサッカーのクラブチーム名が「ケルト人」となったのでしょうか?

今回はセルティックFCの由来とケルト人(Celt)の関係について解説していきます。

ケルト人とは?

ケルト人は、紀元前1,000年頃からヨーロッパの広範囲に広がって定住していた民族で、特に西ヨーロッパ(現在のスイス、ドイツ、フランス、イベリア半島、ブリテン島など)に住んでいたといわれています。

しかし、紀元前1世紀頃からローマ帝国が拡大していき、ヨーロッパ大陸に住んでいたケルト人はローマ帝国に支配されていき、ケルト文化は消滅してしまいます。

一方、ブリテン島に住んでいたケルト人はローマ帝国の支配は受けたものの、ブリテン島北部のスコットランドや近くの島のアイルランドに逃れることができ、その土地(特にアイルランド)でケルト文化が色濃く残っていきました。

このことから、現在では「ケルト人・ケルト文化」=「アイルランドやスコットランド」となっています。

セルティックFCの由来

19世紀のアイルランドではジャガイモ飢饉が起こり、深刻な食糧不足に陥っています。

飢えに苦しむ多くのアイルランド人は新たな土地を求めてブリテン島やアメリカ、オーストラリアに移住しましたが、その中でもアイルランドから近いスコットランドのグラスゴーに移住する人がたくさんいました。

しかし、グラスゴーに移住をしたものの現地でアイルランド移民は貧困や飢えに苦しみ、時にはスコットランド人から差別を受けることもありました。

そんな中、1887年にアイルランドのマリスト教徒であるブラザー・ウォルフリッドが、グラスゴーの貧しい人々や空腹の人々に食事を提供することを目的としたチャリティークラブとして、「セルティックFC」を設立しました。

アイルランドやスコットランドは共にケルト系であり、伝統とアイデンティティの象徴として「セルティック(Celtic)」と名付けられました。

セルティックFCのクラブカラーやエンブレムにも、アイルランドがルーツであることが分かるポイントが含まれています。
ユニフォームカラーの緑は「アイルランドの象徴的な色」であり、エンブレムに使われている四つ葉のクローバーは「アイルランドの国花」である、とクラブの象徴にアイルランド文化が使われています。

この他にも、セルティックFCの本拠地である「セルティックパーク」には、スコットランド国旗の他にアイルランド国旗も掲揚されています。

「オールドファーム・ダービー」はなぜ熱い?

セルティックFCを語る上で外せないことに「オールドファーム・ダービー」があります。

オールドファーム・ダービーとは、同じグラスゴーに拠点を持つセルティックFCとレンジャーズFCのダービーマッチのことを指しますが、世界中にいろんなダービーがある中でこのオールドファーム・ダービーは世界で最も熱狂的なダービーマッチの1つにあげられています。

それはなぜなのでしょうか?

実は、このオールドファーム・ダービーが熱狂的な理由にも歴史的・文化的背景があります。

その前にまずセルティックFCのライバル「レンジャーズFC」について解説します。

レンジャーズFCはセルティックFCが設立されるより前の1872年に設立され、1888年に設立された世界最古のリーグの1つ「スコットランド・フットボールリーグ」の創設メンバーとなります。
レンジャーズFCはセルティックFCと同様スコットランドリーグを代表する強豪クラブであり、長い間この2チームがリーグの優勝争いを繰り広げています。

同じ都市のクラブチーム同士がライバル関係になることは普通のことですが、セルティックFCとレンジャーズFCの関係はそれだけではありません。

この2つのクラブのダービーマッチの熱狂には、ファン同士の社会的・宗教的対立が関係しています。

この理由を詳しく見ていくため、今から数世紀以上さかのぼっていきましょう。

ブリテン島(イギリス)やアイルランドでは長い間キリスト教のカトリックが信仰されていましたが、16世紀頃にプロテスタントがブリテン島に入ってきたことによりプロテスタント教徒が増加し、カトリック信者とプロテスタント信者の間で激しい宗教対立が起こるようになります。
プロテスタント派がカトリック派の国王を追放し処刑したピューリタン革命やその後の名誉革命を経て、ブリテン島ではプロテスタント派が、アイルランドではカトリック派が主流となっていきました。

その後、18世紀にイギリスがアイルランドを併合し、カトリック信者はさまざまな権利をはく奪されたことによりアイルランド内で反発が起き、宗教対立は激化していくことになります。

このような社会的背景は、スポーツクラブの支持母体にも影響を与えるようになりました。

  • アイルランド移民が設立したセルティックFC・・・アイルランド系カトリックが支持するクラブ
  • 地元の人が設立したレンジャーズFC・・・スコットランド系プロテスタントが支持するクラブ

と、それぞれの宗教派閥が支持母体となったため、この2つのクラブのダービーマッチは宗教の代理戦争のようなものになり、社会問題になるほど過激なものへとなっていきました。

どれほどかというと、レンジャーズFCは1920年から1989年まで半世紀以上もの間カトリック系の選手の入団を事実上禁止にしており、この禁止事項を失くす際にも大きな議論を呼ぶほどでした。

このように、オールドファーム・ダービーは同じ都市の強豪クラブ同士の試合というだけでなく、イギリスやアイルランドで長い間社会問題にもなったカトリックとプロテスタントの宗教対立も含んでいたため、他のダービーよりも熱狂的なものとなりました。

現在では、以前のような宗教対立は収まり、熱狂的ではあるものの過激さがなくなっているので安心して現地で観戦することができます。

他にセルティックがつくものは?

セルティックFCの他に、NBAにもセルティックの名を持つクラブ、「ボストン・セルティックス」というバスケットチームがあります。
こちらもケルト人がチーム名の由来であり、ボストン付近にアイルランド系移民が多く住んでいたことからセルティックスという名前になっています。

ボストン・セルティックスもセルティックFCと同様、チームカラーはでエンブレムのキャラクターはクローバー模様の服を着ているなど、ケルト文化(アイルランド文化)がクラブチームの象徴に使われています。

これまで紹介したスポーツチーム名ではCelticを「セルティック」と発音していましたが、一般的には「ケルティック」と発音されることが多いです。

ケルト音楽(Celtic music)やケルト神話(Celtic mythology)のCelticは、セルティックではなくケルティックと発音されることが多いので注意しましょう。

まとめ

まとめ
  • セルティックFCの名前の意味は「ケルト人」
  • セルティックFCはアイルランド人が設立
  • レンジャーズFCとのオールドファーム・ダービーは社会的・宗教的背景から熱狂的
  • NBAのボストンセルティックスの由来も「ケルト人(アイルランド人)」

いかがでしたでしょうか?

海外スポーツが好きだという方でもクラブチーム名に興味を持っている方や由来を知っている方は少ないかと思います。
今回はセルティックFCについて紹介していきましたが、このクラブの由来や歴史を調べるだけでも古代ヨーロッパからの勢力の移ろい~近代のイギリス・アイルランドの宗教対立問題とさまざまな歴史的・文化的側面を学ぶことができます。

このように、自分が興味を持てる分野をさらに掘り進めて行くと、歴史・文化だったり語学だったりと幅広い分野に楽しみながら触れることができるので、皆さんもぜひ楽しみながら学んでみましょう!

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