日本で人気のあるスポーツの1つにサッカーがあります。
サッカーはイギリス発のスポーツで、世界一のスポーツイベントであるFIFAワールドカップなど全世界で楽しまれています。
しかし、海外サッカーをよく見る方は気付いているかと思いますが、ヨーロッパではサッカーとは呼ばれておらず、フットボールと表記されています。
なぜ、日本やアメリカではサッカーと呼ばれ、ヨーロッパなどの国ではフットボールと呼ばれているのでしょうか?
また、どちらが正しい呼び方なのでしょうか?
今回はサッカーとフットボールについて解説していきます!
サッカーとフットボールはどっちが正しい?
サッカー・フットボールと2つの呼び方がありますが、実はどちらも少し正しくどちらも少し間違っています。
サッカー・フットボールの正式名称は「Association Football」であり、フットボール協会(Football Association)が制定したルールに基づくスポーツとして誕生しました。
このassociation footballのfootball部分だけをとって、イギリスなどヨーロッパでは一般的にフットボールと呼ばれています。
サッカーもフットボールと同じくassociation footballが語源です。
association footballの”soc”(associationのsocの部分)と「~する人(er)」を組み合わせてsoccerという言葉ができました。
アメリカやオーストラリアでは、アメリカンフットボールやオーストラリアンフットボールといった「football」が使われているスポーツが他にも存在するため、それらと区別するためにsoccerが使われています。
日本でも1900~1940年頃まではフートボールなどと呼ばれていましたが、戦時中に外来語が禁止されたことや戦後にアメリカからサッカーという言葉が入ってきたことにより、現在ではサッカーと呼ばれています。
日本でのサッカー以外の呼び方
日本では一般的にサッカーと呼ばれていますが、実は日本にはサッカー以外にも呼び方が複数存在します。
ここではサッカー以外の呼び方を紹介していきます!
蹴球
まず一つ目が、「蹴球」です。
蹴球は、サッカー協会の前身である大日本蹴球協会でも使われている通り、特に戦前のころに使われていた表記です。
現在でもクイズ番組や部活Tシャツなどで目にする機会があるので、「蹴球」という言葉を知っているという方も多いのではないでしょうか。
ア式蹴球
次に、「ア式蹴球」です。
ア式とは、正式名称である「アソシエーション・フットボール(association football)式」の略であり、「サッカー」であることを強調しています。
「ア式蹴球」は、天皇杯の前身であるア式蹴球全国優勝競技会や、現在の一部の大学サッカー部の名称であるア式蹴球部として使われてます。
しかし、「蹴球」単体でサッカーを表しているのに、なぜサッカーを意味する”ア式”がつくのでしょうか?
これは、蹴球にはサッカーの他に、ラグビー(まれにアメリカンフットボールも)を表すことがあるためです。
実際に慶応義塾大学蹴球部はサッカー部ではなくラグビー部のことを指し、早稲田大学ではラグビー部ではなくラグビー蹴球部など、サッカーとラグビーどちらでも蹴球が使われています。
サッカーの意味の蹴球とラグビーの意味の蹴球を区別するために、サッカーをア式蹴球、ラグビーをラ式蹴球と表記することもあります。
東京大学や早稲田大学では、今でもサッカー部ではなく「ア式蹴球部」として活動しているので、もしかしたら今後天皇杯などで目にする機会があるかもしれません。
ソッカー
さいごに、ソッカーです。
こちらはsoccerのイギリス発音をカタカナ語にしたもので、現在では慶応義塾大学や慶応義塾高校のソッカー部(サッカー部)として使われています。
慶応義塾大学が当時よく使われていたア式蹴球ではなくソッカーと名付けた理由は、ソッカー部が設立する30年前(1899年)から慶応義塾大学には蹴球部(ラグビー部)があり、当時一般的であった「ア式蹴球」の表記だと紛らわしくなるためだそうです。
まとめ
- サッカー・フットボールの正式名称はassociation football
- 一般的にはフットボールだが、アメフトやラグビーと区別するためにサッカーとも呼ばれる
- 日本ではサッカーの他に蹴球、ア式蹴球、ソッカーなど複数の呼び方がある
日本ではサッカーという名称が一般的なので、英語でサッカーが好きだと伝える際「I like soccer. 」とつい言ってしまいがちですが、サッカーの本場イギリスやヨーロッパ諸国の人相手だとうまく伝わらないことがあります。
私も昔イギリスに訪れた際、現地の人と会話をしていて「サッカーが好きだ」と伝えたところ、
「サッカー?何それ?」といった反応をされたことがあります。
アメリカに旅行する際はあまり気にする必要がありませんが、イギリスなどのヨーロッパに旅行する際はなるべくフットボールを使うことをおすすめします。
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