イングランドのサッカーリーグ「プレミアリーグ」の強豪クラブチームにアーセナルFCがあります。
プレミアリーグを含むイングランドのサッカークラブの名前は地名をそのまま使っているところが多いのですが、アーセナルFCのアーセナルは地名なのでしょうか?
今回はアーセナルFCの由来について解説していきます!
アーセナルFCの由来
まず、アーセナル(Arsenal)という言葉を辞書でみてみましょう。
Arsenalの意味は「貯蔵武器、兵器庫」と出てきますが、なぜこの言葉がクラブチーム名になったのでしょうか?
それにはクラブの設立過程が大きくかかわっています。
アーセナルFCは、1886年にロンドン南東部のウーリッジ地区にあったイギリス最大級の軍需工場であるロイヤル・アーセナル(王立造兵廠)の労働者たちが立ち上げたダイアル・スクエアが由来となります。
その後、クラブチーム名をロイヤル・アーセナルFCに変更し、プロチームになった後1893年に地区名をつけてウーリッジ・アーセナルFCと改称しました。
ここで、プレミアリーグに詳しい方はある違和感を覚えるかと思います。
アーセナルFCとトッテナム・ホットスパーFCのダービーを「ノースロンドン・ダービー」と呼ぶように、現在のアーセナルFCはロンドン北部を本拠地にしています。
それではなぜロンドン南東部のウーリッジ地区からロンドン北部へと移転したのでしょうか?
プロチームとなったウーリッジ・アーセナルFCは1904年に1部リーグに昇格するなど順風満帆でしたが、本拠地の地理的要因もあって集客力が悪く1910年には破産状態に陥ってしまい、ヘンリー・ノリスという方に買収されました。
ウーリッジ・アーセナルFCが2部リーグに降格したのち、1913年に本拠地をウーリッジからロンドン北部に位置するハイベリー地区に移しました。
その過程でウーリッジをクラブチーム名から外し現在の名称であるアーセナルFCとなりました。
この際に、当時2部リーグにいたロンドン北部のクラブであるトッテナム・ホットスパーFCよりも先にアーセナルFCが1部リーグに昇格したこともあり激しいライバル関係になり、現在でもこの2チームの対戦はプレミアリーグを代表するダービーマッチとなっています。
アーセナルFCのファンの愛称としてグーナー(Gooner)が使われていますが、これはアーセナルFCの愛称であるガナーズ(The Gunners)がなまったものとされています。
また、ガナーズという愛称は上記で述べているようにクラブチームが軍需工場に由来しているためです。アーセナルFCのエンブレムには大砲が描かれており、現在でもその名残が残っています。
ちなみにロイヤル・アーセナルは現在も歴史的建造物としてその地に残っており、マンションやショッピングエリアとして使われています。