英検（実用英語実技検定）は、英語能力を証明する資格として人気があり、特に中学生や高校生が英語の勉強の一環で受験しています。
しかし、近年はTOEICやTOEFLなど外国発の英語試験が人気でこれらのスコアが就活や留学に使われることが多いので、英検を受験するメリットを感じない方もいらっしゃるかもしれません。
そんな英検ですが、英検の取得している級によって大学入試が有利になる制度があることをご存知でしょうか？
実は、多くの大学が英検の級によって英語科目の試験の免除や試験の点数に加点が行われる制度を導入しており、英検（特に2級以上）や高いCSEスコアを取得しておくと大学受験を有利に進めることができます。
今回は英検を大学受験に活用するメリットについて解説していきます！
英検を大学受験に活用するメリット
大学受験の英語試験を免除またはスコアに加算される
近年、多くの大学では英検の合格した級によって英語の試験を免除したり試験のスコアに加点をする制度である英語4技能試験制度を導入しています。
この制度を使うことによって、高校1～2年のうちに受験したい大学の英語試験免除の級を取得しておけば、3年次に英語以外の科目の勉強に集中することができるので大学受験を有利に進めることができます。
例えば、明治大学では商学部や経営学部などの一部の試験で英語4技能試験を活用することができる制度があり、基準を満たしていれば英語科目が免除され1〜2科目のみの試験となります。
英語4技能試験を利用する試験は他の試験と併願で受験することができるので、受験できる回数が増えるのもメリットの１つになります！
明治大学以外にも多くの大学がこの制度を導入しているので、ぜひ入学試験要綱を確認してみてください！
英検は大学受験とは異なり、年に複数回受けることができるので普通に大学受験するよりもチャンスが多くなります。従来型の英検に加えて、パソコンを使ったS-CBT試験を使って英検を受験することができるので、英検を受験する機会は依然と比べて多くなっています。
大学によりますが2級か準1級をとっておくといろいろな大学でこの制度を使うことができるので、ぜひ2級以上を目指して勉強しましょう！
英検の勉強は受験勉強につながる
英検に登場する文章は社会問題や自然科学が多く、大学の入試問題に似た内容の問題が出題されています。それに伴い、英検用の単語帳も大学受験用の単語帳と同じような単語が収録されています。
つまり、英検は大学受験で試験免除やスコア加点に活用できるだけでなく、受験勉強そのものにもなるので英検の勉強をして損はしません。
また、日本人の多くが苦手である英作文も英検で出題されるので、ここでライティング力を磨いておくと大学入試の英作文問題を得点源にすることができます。
本命の大学が英検の試験免除やスコア加点の制度を導入していなくても、第2希望の大学や滑り止めの大学がこの制度を導入している可能性があります。その場合は各大学ごとの英語試験の対策が必要なくなり第一志望の試験の対策に集中することができるので、受験する大学の入学試験要綱を確認してみてください！
AO入試や推薦入試で英語力の証明としてアピールできる
英検は総合的な英語能力を客観的に証明することができるので、一般受験以外のAO入試や推薦入試で英語力のアピールとして使うことができます。
英検はTOEICとは異なりライティングやスピーキングの証明にもなり、準1級を取得しておくと外国語学部や国際系の学部の受験が有利になるので、これらの学部を受験したいと思っている方は準1級をおすすめします。
大学入学後にTOEICやTOEFLなどの他の英語資格に移行しやすい
大学受験が終わったからといって、英語の勉強が終わるわけではありません。
就活に向けてTOEICを勉強する人もいれば、留学に向けてTOEFLやIELTSの勉強を始める人もいます。
TOEICやTOEFL、IELTSは日本の団体の試験ではないため難しそうに感じるかもしれませんが、英検の勉強をしておけばこれらの試験勉強にも対応できるようになります。
というのも、英検は社会問題や環境問題のような世界規模の話題を使った文章問題が多く出題され、さらに「リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング」の4つの技能をすべて勉強することになるので、4つの技能を使ったTOEFLやIELTS、リーディングとリスニングに特化したTOEIC L&Rなどあらゆる形式の試験に対応する力を身につけることができます。
就活で英語力をアピールできる
就活や転職の際によく使われている英語資格はTOEICですが、英検も英語力のアピールとして活用することができます。
一般にTOEICといえばTOEIC L&Rのことで、これははリーディングとリスニングのみの試験になるので、英語力といっても「読む・聞く」の受動的なスキルに限られます。
しかし英検は「リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング」のスキルが無いと合格することができないので、英検の資格（特に準1級以上）を持っていると英語を使いこなせるというアピールをすることができます。
英語をよく使う業界（商社や外資系など）に興味がある方は英検の準1級以上取得することをおすすめします。
英検のS-CBT試験とは？
S-CBT試験とは、全国各地にあるテストセンターでパソコンを使った形式の試験になります。
従来の英検は年に3回実施されますが、S-CBT試験は原則毎週土日に実施されているので、自分の都合に合った日にちに受験することができます。
また、従来の英検では1次試験（リーディング、ライティング、リスニング）と2次試験（スピーキング）に分かれていますが、S-CBT試験では1日で4つの技能を測定することができるので交通費等の節約にもなります。
S-CBT試験は1日で4つの技能を測りますが、得点は従来の英検と同様「リーディング・ライティング・リスニング」と「スピーキング」に分かれています。
そのため、合格点に届かずに不合格になっても「リーディング・ライティング・リスニング」のスコアが一定以上とれていれば次回の試験は免除となり、スピーキングのみの試験になります。
TOEICも大学受験に活用できる？
英検が大学受験に活用できることを紹介してきましたが、大学によっては英検に加えてTOEICのスコアが利用できるところがあります。
「大学に入ってTOEICを受けるなら、高校生のうちにTOEICの勉強をして受験にも活用した方が良いのでは？」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私はTOEICよりも英検をおすすめします。
英検をおすすめする1番の理由として、英検であれば英語4技能試験の条件を満たしている点です。
先ほど多くの大学で英語4技能試験の制度が利用できると述べましたが、大学や入試形態によって利用できる英語試験が異なります。
例えば、早稲田大学では商学部、文学部、国際教養学部、文化構想学部で英語4技能試験の制度を導入していますが、この4学部全てで使うことができる英語試験は英検とTOEFL iBTのみとなっており、IELTSやGTECでは商学部を受験することができません。
このように、同じ大学であっても学部によって「使用できる英語試験」と「使用できない英語試験」があるので、事前に確認しておかないと出願自体できなくなる場合があります。
不安に思った方もいらっしゃるかもしれませんが、英検は英語4技能試験の制度ではどの大学のどの学部でも利用することができるので、受験ができなくなる心配はありません！
話をTOEICに戻しますが、TOEICは普通の英語の試験とは異なり主にビジネス英語がメインで出題されるので、英語力が高くても高校生にとっては解きにくいような問題が多く、思ったほど点数が伸ばせない可能性があります。
また、TOEICは英語力だけではなく必要な情報だけを素早く読む情報処理能力や試験への対策力が求められるので、TOEIC試験のための勉強が必要になり大学受験以外の勉強の割合が多くなってしまいます。
受験のためにTOEICを勉強したのに、受験勉強とTOEIC対策でどっちつかずになってしまってはもったいないですよね。
この他にも、TOEICを英語4技能試験制度で利用する場合、TOEIC L&Rの他にTOEIC S&WというTOEICのスピーキングとライティングの試験を受ける必要があります。一般的にTOEICといえばTOEIC L&Rであり、書店のTOEICコーナーはほとんどL&Rの教本でTOEIC S&Wを見かけることはほとんどありません。
このようにTOEIC S&Wは教本も少なく対策がしづらいので、TOEICを英語4技能試験に利用することはあまりおすすめできません。
英検はライティングやスピーキングの教本や教室が豊富で対策がしやすく、英検の勉強で培った単語力や読解力、ライティングスキルはそのまま大学受験に使うことができるので一石二鳥になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
英検を大学受験に活用することで、英語科目の試験の免除や試験の点数に加点が行われる制度があるため、大学受験を有利に進めることができます。
英検の勉強をすることによって大学受験に必要な英語力が身に付くので、本命の大学がこの制度を導入していなくても無駄になることは無く、むしろ滑り止めの大学の対策をする必要がなくなる可能性があるので、ぜひ英検の勉強を始めてみてはいかがでしょうか！
