英語の授業やテストに良く登場する「使役動詞」ですが、「使役動詞ってどういう意味だろう?」「いつ使うか分からないしなんとなく難しそう」と思っていませんか?
しかし実は、使役動詞は「〜させる」という意味を持つ便利な文法で、日常会話でもよく使われています。
今回は使役動詞についてや、使役動詞である「make」「let」「have」「get」などの種類と使い方をわかりやすく解説していきます。
使役動詞を理解するとより自然な英語が使えるようになるのでマスターしていきましょう!
使役動詞とは?

使役動詞とは、「〜させる」という意味を持つ動詞のことで、他人に何かをさせる状況を表すときに使用されます。
「お母さんが私に部屋の掃除をさせた」や「上司は部下にメールを送らせた」の他、「そのドラマは私を泣かせた」も使役動詞で表現されます。
代表的な使役動詞は以下のとおりです。
- make:「(無理やり)〜させる」
- let:「(許可して)〜させる」
- have:「(依頼して)〜させる」
代表的な使役動詞には含まれていませんが、getを使った「〜させる」という表現もよく登場します。
makeを使った使役動詞
makeを使った使役動詞
makeを使った使役動詞の構文は以下のようになります。
make + 人 + 動詞の原形
makeを使った使役動詞には、「相手に(強制的に)させる」というニュアンスが含まれています。
例文を確認してみましょう。
- My mother made me do the laundry.(母は私に洗濯をさせた。)
- The movie made me cry.(その映画は私を泣かせた。)
makeを使った使役動詞の受動態
使役動詞は一般的に受動態で表されることはありませんが、makeを使った使役動詞は受け身(受動態)で表現することがあります。
makeを使った使役動詞の構文は以下のようになります。
be + made + to 動詞の原形
上記の構文を見てもらうとわかるのですが、使役動詞「make」を受動態の形にすると動詞の前にtoがつきます。
例えば、例文の
My mother made me do the laundry.
を受動態に書き換えると
I was made to do the laundry.
のように動詞の前にtoがつきます。
「普通の文章(能動態)の時にto + 動詞の原形にしてしまう」
「受動態の時にtoを忘れてしまう」
といったミスをしてしまうことが多いので、間違えないよう注意が必要です。
letを使った使役動詞
letを使った使役動詞の構文は以下のようになります。
let + 人 + 動詞の原形
letを使った使役動詞には、「相手に〜させてあげる(許可)」というニュアンスが含まれています。
例文を確認してみましょう。
- My dad let me drive his car.(父は私に彼の車を運転させてくれた。)
- She let her kids play outside.(彼女は子供たちを外で遊ばせた。)
haveを使った使役動詞
haveを使った使役動詞の構文は以下のようになります。
have + 人 + 動詞の原形
haveを使った使役動詞には、「相手に〜させる(依頼や指示)」というニュアンスが含まれています。
例文を確認してみましょう。
- I had him fix my laptop.(私は彼にノートパソコンを修理させた。)
- She had the staff clean the room.(彼女はスタッフに部屋を掃除させた。)
getを使った使役動詞
getを使った使役動詞の構文は以下のようになります。
let + 人 + to 動詞の原形
使役動詞make、let、haveとは異なり、getの場合「to + 動詞の原形」の構文になるので注意が必要です。
getを使った使役動詞には、「説得して〜させる」「努力して〜してもらう」というニュアンスが含まれています。
例文を確認してみましょう。
- I got him to help me.(私は彼に手伝ってもらった。)
- He got her to forgive him.(彼は彼女に許してもらった。)
使役動詞と似ている英語表現
使役動詞に似た表現に「ask(頼む)」「tell(命令する)」「order(命令する)」を使ったものがありますが、少し構造が異なります。
ask(頼む)を使った英語表現
askを使った使役動詞に似た英語表現の構文は以下のようになっています。
能動態:ask + 人 + to 動詞の原形
受動態:be asked + to 動詞の原形
askを使った使役動詞に似た表現の能動態・受動態を、それぞれ例文を見て確認してみましょう!
- She asked me to help her.(彼女は私に手伝うように頼んだ。)
- We asked him to be quiet.(私たちは彼に静かにするように頼んだ。)
- I was asked to help her.(私は彼女に手伝うように頼まれた。)
- He was asked to be quiet.(彼は静かにするように頼まれた。)
tell(命じる)を使った英語表現
tellを使った使役動詞に似た英語表現の構文は以下のようになっています。
能動態:tell + 人 + to 動詞の原形
受動態:be told + to 動詞の原形
tellを使った使役動詞に似た表現の能動態・受動態を、それぞれ例文を見て確認してみましょう!
- She told me to be careful.(彼女は私に注意するように言った)
- He told me to leave.(彼は私に離れるように言った。)
- I was told to be careful.(私は注意するように言われた。)
- I was told to leave.(私は離れるように言われた。)
order(命令する)を使った英語表現
orderを使った使役動詞に似た英語表現の構文は以下のようになっています。
能動態:order + 人 + to 動詞の原形
受動態:be ordered + to 動詞の原形
orderを使った使役動詞に似た表現の能動態・受動態を、それぞれ例文を見て確認してみましょう!
- The officer ordered him to stop.(警官は彼に止まるよう命じた。)
- They ordered us to leave immediately.(彼らは私たちにすぐに離れるよう命じた。)
- He was ordered to stop.(彼は止まるよう命じられた。)
- We were ordered to leave immediately.(私たちはすぐに離れるよう命じられた。)
まとめ
使役動詞 | make | let | have | get |
意味 | 「〜させる(強制)」 | 「〜させる(許可)」 | 「〜させる(依頼)」 | 「〜させる(説得)」 |
構文 | make + 人 + 動詞 | let + 人 + 動詞 | have + 人 + 動詞 | get + 人 + to + 動詞 |
受け身 (受動態) | be made + to + 動詞 | (基本)無し | (基本)無し | (基本)無し |
いかがでしたでしょうか。
使役動詞は「誰かに〜させる」という意味を持つ重要な文法です。
代表的な使役動詞「make」「let」「have」「get」にはそれぞれニュアンスに違いがあり難しく感じるかもしれませんが、使い方を正しく理解すれば英語の表現の幅が広がります。
問題演習をすることも1つですが、おすすめは洋楽を使った勉強法です。
特にビートルズの「Hey Jude」には使役動詞の「make」や「let」が登場しているので、曲を聴き込むことで文法を身につけることができます。
ぜひ挑戦してみてください!