TOEICや英検など英語の文法問題を解いている時にtoの後が空欄だった場合、つい「toの後だから動詞の原型だ!」とあまり考えずに選択肢を選んでしまうことはありませんか?
しかし、look forward toのようにtoの後に動名詞(〜ing)や名詞が続くこともあるので、「toのあとは動詞の原型」と暗記していると間違えてしまうことがあります。
そもそも、一体なぜtoの使い方がこのようにややこしくなっているのでしょうか?
これには、to不定詞の他に「前置詞のto」という用法が関係しています。
今回は、この「to不定詞」と「前置詞のto」の違いについて解説していきます。
「to不定詞」と「前置詞のto」について
to不定詞とは?
to不定詞とは、「to + 動詞の原形」で表され、動詞や名詞、形容詞の後に続いて目的や理由、結果、意志など を説明する表現です。
この「to」は「~すること」「~するために」という意味で、動詞の一部として機能しています。
代表的な使い方は次の3つになります。
① 名詞的用法:~すること
例:I want to play soccer.
(私はサッカーをすることが欲しい。→私はサッカーをしたい。)
このように、名詞的用法では「何をしたいか?」というように、主に目的語として使われます。
② 形容詞的用法:~するための、~するべき
例:I have a book to read.
(私は読むための本を持っている。)
形容詞的用法では、to以下の部分でその前の名詞についての説明をしています。
③ 副詞的用法:~するために、~して
例:She went to the library to study.
(彼女は勉強するために図書館へ行った。)
副詞的用法では、to以下の動詞でその前の名詞を副詞のように説明しています。(例文では「何のために行ったか?」という目的を表しています。)
前置詞の to とは?
前置詞のtoは、方向や対象、到達点などを表し、後ろには名詞・代名詞・動名詞(〜ing)が続きます。
そもそも、前置詞は名詞の前において名詞の「意味を限定する」役割を持っているので、前置詞のtoの後に動詞が来ることはありません。
つまり、前置詞の「to」は 不定詞の「to」とは全くの別物です。
① 場所や方向を表す to
例:I’m going to the station.
(私は駅に向かっています。)
このように、toの後に動詞の原型ではなく場所である名詞が続きます。(例文では名詞「駅(the station)」が続いています。)
② 動名詞が続く慣用表現
前置詞のtoの中で特に注意したいのが、以下のような「to + 動名詞(〜ing)」の形です。
先ほど紹介した「場所や方向のto」は文脈からtoの後が動詞ではないことがすぐにわかりますが、動名詞が続く慣用表現の場合は、文脈からだとtoの後に「動詞が入りそう」な雰囲気があるので、つい「to不定詞」のようにto + 動詞の原型にしてしまいがちです。
しかし、以下で紹介する慣用表現の「to」は前置詞なので、動詞の原型ではなく動詞のing形(動名詞)が続きます。
表現 | 意味 | 例文 |
be used to | 〜に慣れている | I’m used to driving at night. |
look forward to | 〜を楽しみにする | I look forward to meeting you. |
be committed to | 〜に専念している | He is committed to improving his skills. |
object to | 〜に反対する | He objected to changing the plan. |
これらの「to」は不定詞の「to」と間違えやすいですが、実際は「~に対して」という前置詞で、後ろに名詞や動名詞(~すること)が続く点に注意しましょう。
まとめ:to不定詞と前置詞 to の違い
種類 | 役割 | toの後ろにくるもの |
to不定詞 | 動詞の一部 | 動詞の原型 |
前置詞のto | 前置詞 | 名詞・動名詞(〜ing) |
多くの人が「to の後は動詞の原形」と丸暗記してしまい、look forward to meet you(正しくはlook forward to meeting you)のようにtoの用法を間違えてしまいます。
このように、暗記形式の勉強では「to不定詞」と「前置詞のto」の判断が難しくなってしまいます。
to が「不定詞」か「前置詞」かを判断するクセをつけることでこのようなミスは確実に減るので、文法問題だけでなく英語の文章を読む際にはtoの用法に注意してみましょう!
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